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現代演劇暴論4「なぜラップをするときにみんな中腰で手を振るのか」

今回は二つめ「そんなしゃべり方しねーよ」です。
まずは参考資料。嵐「A・RA・SHI」

ジャニーズでさえラップをするときは中腰で手を振ります。
なぜならそれが「ラップの流儀」だからです。
しかしそれは固定概念以外の何者でもありません。
それらは何かの理由があって生まれた「西洋人のカッコつけ」でした。
事実、カッコつけをしてる西洋人はカッコいいです。
ではなぜ日本人が同じようにカッコつけてもカッコよくならないのか。
それは根本的にその「カッコつけ」が日本人にあってないからです。
細かく言えば、生理・文化・思想にあってないからです。
だから人はそれらを見て恥ずかしいと思うのです。

演劇もまったく同じ構造です。
セリフを言う時は「大声で滑舌よく前を向いてお客に聞こえるように」と誰もが考えます。
それが「演劇の流儀」です。
しかしそれも固定概念でしかありません。
いわゆる「演技らしい演技」なんて少し昔に誰かが見た西洋人の見よう見まねです。
つまりそれにどんな正当な理由があったとしても所詮「西洋人のカッコつけ」なのです。
だから日本人に合わないのは当たり前の話なのです。
でもそれ以外に舞台上でカッコつける方法を知らない。
だからみな舞台に上がると西洋人のように大げさで大声で大振りになってしまう。
そしてそれを見た普通の感覚の人は恥ずかしいと思ってしまうのです。
つまり「そんなしゃべり方しねーよ」なのです。

この問題に二つの解決方法が提示されました。
1「西洋のカッコつけ方を日本人の生理にすり寄せていく」
→さんぴんキャンプ世代、小劇場演劇
2「言葉(歌詞、韻、戯曲)の段階から日本人の生理に合わせて作る」
→リトル・バード・ネイション、静かな演劇

そして、その折衷案をとったのがウェルメイドと後期FGクルーです。

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