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現代演劇暴論10「らき☆すたOPに見る演劇的論点」

参考資料。
らき☆すたOP「 もってけ!セーラーふく」

「らき☆すた」のOPを見て少し思うところがあった。のでちょっと演劇的に分析してみる。

1.京都アニメーションが提示する身体性

ここ最近、宮沢章夫氏が自著やブログで「身体性」について語っているのをよく見る。
それはだいたいチェルフィッチュやポツドールの身体についてで「だらしなさ」もしくは「だらしなさの先」の身体性について色々書かれている。
現代口語演劇はまず言葉の面から現代演劇へとアプローチした。
もちろん身体からのアプローチもあったけど言語ほどではなかったと思う。
そして現代口語演劇は一応の完成をみた(あくまで一応)。
今、現代演劇は身体の現代性について模索している。現代身体演劇の時代である。
というわけで演劇界では新しい身体表現を持った作品が多く発表されている。
先に挙げたチェルフィッチュはそうだし、東京デスロックの「再生」なんかもそうだと思う。
あとすぐ地べたに寝そべる五反田団。
それら新しい身体表現のキーワードはやはり肉体の「だらしなさ」だと思う。
そもそも演劇の身体はきれいすぎたし、タフすぎたし、力が入りすぎてきた。
で、話はやっと「らき☆すた」に入る。

京都アニメーションがアニメキャラ達に踊らせたのは涼宮ハルヒが最初だろうか。
それは大変に評判になって巷で実際に踊っている人々の映像がYouTubeにアップされた。
今回の「らき☆すた」も同様で多くの素人ダンサーの映像が見られる。
で、そーゆーのを見ると非常にがっかりする。
なにしろ動きのキレが違いすぎる。バラバラだわ、トロいわ。
このダメさを受け入れようとしているのが現代の身体性だとも言える。
でもこれは素人とか練習不足だけが原因とは言い切れないと思う。

まず参考資料を見て欲しい。
ダウンロードしながら見ると頭のフレームが少し遅れる。
ので完全にダウンロードしてから見ることをお勧めする。
問題は頭の10秒にある。4人が並んでダンスする一連のカットである。(特に最初の青い髪のキャラが回す手首)
たぶんこれらのカットは通常のアニメよりもフレーム数が多いと思う。
テレビは1秒間30フレーム。アニメはその4分の1とかだったりした気がする。
つまり1秒間で約12枚ほどのパラパラ漫画が動いている。
枚数を増やして描けばパラパラ漫画の動きはより滑らかになる。
京都アニメーションがブランド化したひとつの理由にその書き込みの多さがある。
で、このフレーム数を多くする技術はPVにもよく使われる。
スローモーションで撮影したダンスを通常速度で見せると異常に動きが機敏な人々の映像になる。
でもこちとらアニメである。例えば制服のたるみや髪の毛の揺れまで完全にコントロールできる。

ではこの「身体」を現実で表現することは不可能なのだろうか。
ストリートダンスの世界ではもうその試みはある。
「アニメーション」と呼ばれるジャンルがそうだ。
まさにこーいったアニメ的な動きを生身で再現しようとしている。
しかもアニメはこんなに動きながらズレや歪みやだらしなさの、演劇界流行の「ノイズ」まで各所で再現している。
だから演劇も見習ってこーゆー風に動けと言ってるわけではない。別に。
ただこの身体性を分析することで何かのヒントになるのではないかと考えている。
小指値はこのアニメ的な身体性を含んでいる気がする。
だからなんだか動きが気になって目が離せないのではないだろうか。
で、こーゆーことを考えすぎてるといつかくるくるぱーになると思う。
らき☆すたにHIP HOPに現代口語演劇に新本格ってトピックが飛びすぎて誰も理解できねーよである。
この節操のない評論方法はあきらかにマンガっちの影響だ。
あれを読んで自分にもある種の演劇論作業ができるかもしれないと思って今やっている。
意外に長くなったので、

2.萌えは新しい劇言語を創造できるのか

は、次にします。
ちなみにらき☆すた本編は一切見てないので内容はまったく知らない。

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