□ 目黒パーシモンワークショップ最終日+発表会
ついにきた。今日は14時半から発表会なので9時から劇場で準備&稽古。
いつも1時間前に劇場に行ってたから、電車の感覚がずれてて普通に間に合わない時間に出発。例によって6時くらいには起きてたのに…ミスった。ギリギリに都立大学へ。そしたら深雪さん&ゆみ・ちゃんも同じ電車。まぁ、大人時間ってことか。
予告通り9時10分から稽古開始。シューがいない。まぁ、シューらしい。まだ寝てるかもとか言うからヒヤッとしてちろに電話してもらったら中目黒らしくて安心。ではみんなでアップをしましょう。最後のアップ。昨日からやってる3車線。ちゃんと周りを見て人数調整をしてかないと途切れてしまう上級編。でもみんなうまくなったなぁ。最初にこれやったときはほんとに全然できなかったんだけど。能力はあるのに、体の細部までコントロールできない感じなんだよな。でも練習すれば大抵のことはすぐにできるようになる。
遅れてきたシューも入って全員集合。ラストシーンを作る。まずは彼らのざわめきをつかった流れを作る。ざわめきで誰があゆみなのかわからなくさせる。ざわめきはハイバイKOBITOをちょっと意識したかも。その後、椅子を一脚ずつ持っていって道が教室になる。教室の中でオープニングのセリフ。ざわざわしながら言うのが難しいらしい。みんなの意見を聞きながら調整。なんとか完成。作りながら自分でかなりグッときててやばいちょっと感情移入しすぎ、ファシリテーターにあるまじきと自分で思う。けどもはや止められない。
で、現在と思い出が二重になるところやって、初通し。まぁ、なんとか通ったけどって感じ。それでお昼休憩。楽屋で深雪さんと相談しながらお弁当を食べる。柴だいじょうぶかなー、深雪さんだいじょうぶでしょー。
そしたらみんな劇場で恋バナしてるらしく混じる。彼氏がいるかとか彼女がいるかとか。楽しそうだ。てかほんと元気だな君ら。緊張とかしないのか。
13時から稽古再開。照明などを合わせた後に、もう一回通す。今度の通しは良かった。さっきのより全然良い。この良いとか悪いとかもみんなはわかんないのかもなぁ。ちゃんと教えたいし、感じてほしい。で、ちょこちょこ稽古してたら14時でもう開場。片づけて、そのままお客さんに入ってもらう。でも僕らは舞台上で稽古。あ、でもあゆみシステムは本番までのお楽しみ。違うアプローチで稽古。それにしても七ツ寺でWS発表会やったときもギリギリまで稽古してたなぁ。こーゆーときって稽古風景も見てもらいたいっていうすごく勝手な欲求も僕にはあって。知ってる顔もチラホラ。緊張してきた。みんなで車座になってちゃんと話す相手を見てセリフを言う、役のバトンをキレイに渡すっていうのをやる。これは長編あゆみでもやって、すごく効果があった稽古。なにより、これ見てると楽しいんだ。そしたら1ベル鳴ってビビる。五分前だってばよ。みんなに「練習通りのことを本番でもできるのが役者です、でもそれは難しいことです、でも役者が一番、成長する場所も本番です」みたいな話をする。僕らが見た景色、想像力をお客さんにもちゃんと見てもらってるか、感じながら芝居をすること。独りよがりでやらないこと。全員を信頼すること。
で、本番。ガチョーのタイミングではじめてってはじめる。
で、これがねー、まぁ、今だから言っちゃうけども前の2回の通しと比べても一番ヘタッピだった。みんな見られてやることに慣れてなさすぎ。緊張しすぎ。最初からミスりまくり。まぁ、途中からよくなったけどね。とりあえずギリギリ、まぁ、いいかっていう出来でした。カーテンコールを決めるのを忘れてたのは柴のミスです。ごめんね。えへ。
で、トーク。全員に参加してもらって。最初になぜ「あゆみ」という芝居で発表会をやろうと思ったのかの話。まぁ、今までブログに書いてきたようなことです。自由にやることには慣れてる、自分を殺してルールを守ることもできる、でも、不自由の中で自分の持ち味を出し切る、ということを知らない彼らに体験してもらいたかった。世の中のお芝居、ていうか世の中そんなことばっかりだから。だからクセは全部、指摘したし。後は、全員を信頼して全員で作業をしないと演劇の作品は成立しませんよ、ということ。しかも他人と。たまたま出会った他人と5日間だけでも協力して稽古して作品を完成させる。これも難しいけど、これから芝居をやってくなら、生きていくなら、できなければならないこと。心から分かり合う必要なんかないから。5日間だけ、20分間だけ、信頼し協力する技術。それも役者の技術。お客さんからの質問にも答えたり、彼らが大変だったことをそれぞれ言ったり。あだ名なんかの話もあった。あだ名がなかったらもっともっと時間がかかってただろうな。あとそうだ、うえちゃん&オザにいかに彼らが現代口語の再現だけならばとても上手くできるかということを実演してもらった。あとガチョーに8拍で歩いてもらって、彼らは決められた距離を歩いて台詞を言い切ってという難しい指令をこなしてたんですよってことを実演してもらった。ガチョーが全員が見ている前でクルって回って華麗に右足で9拍目を決めた瞬間、クラッとしてしまった。なんでそんなことするんだ!頼んでもいないのに!トーク中なのに感動しちゃったじゃないか。あんな風にやってって言われてやるだけでも難しいのに、なんであの場で出来ちゃうわけ?ほんとにこの人達わかんない。
トークの中で、もう一回見たいなんて言ってくれる方もいらっしゃって、僕も「そう彼らはやり方を知らないだけだから、もう一回やったらさっきより確実に上手くなってる、そこがすごい」なんて話もしちゃったもんで、彼らも「え、もっかいやるの?」みたいに言うもんだから、本気でもっかいやりたくなってきて、でもそれって発表会としてどうなの、でも一回やって、だめ出しして、もう一回やって上手くなってたら、それこそ一番の発表会じゃない?ていうか、この子達、絶対さっきより上手くやるはずだし、やらせたい、それこそ一番彼らの成長になる、とかもう色々考えちゃって「もう一回、やります」って言っちゃった。もちろん時間がない方、もう見たくない方は無理に見る必要はないですって言って、ホールの高見澤さんに確認して、そしたらあっさり時間があるからだいじょうぶですよって。本当に今回、高見澤さんが優しい方で良かったって感じでじゃあ10分後にもう一回、上演しますって言ってトーク終了。
再集合してダメ出し。ミスっても笑うなとか基本から言わせない。で、見せることに全然意識がいってない、自分がやることしか集中してないから余裕のある人からもっとそれを意識してやって、と言う。ほんとそう。彼らはやることにだけ集中して、それがどう見られるのかをまったく理解していない。それはこの5日間でほんと感じた。でもだからこそ、出てくる表現もあって。あぶなっかしいのに目をひくんだ。でもそんなの通用するの今だけだからな!
とまでは言わなかったけどそんなこと言って、簡単にカーテンコールの段取りを口頭で伝えてリベンジ。カーテンコールを伝えるときに最低限の言葉しか使ってない自分に驚く、僕もまた彼らを信用してるんだ。
で、再演は今までで最高の出来でした。ちゃんと作品になっていた。劇になっていた。劇場になった。お客さんも集中して見てくれた。相乗効果でした。さっきとは緊張感が全然、違って。あっという間の20分間で。暗転の後、本物の拍手が聞こえました。彼らの後ろ姿もめっちゃかっこよかった。まぁ、すぐにカーテンコールのタイミングがわからずふらふら立ち上がったりして無防備丸出しになってて宮永さんと忍び笑い。だから明かりがついてから2秒って言ったじゃんか。暗転じゃないよ。
靴を拾って走り去っていく彼らに重なって、アナウンス。
終わってご挨拶。見てくれた人からも二回目、全然違ったねなんて言葉をもらってうれしくなる。もし3回目があったらきっともっと違うんですよ。多田先輩が来るって緊張してたのに寝坊(?)風邪をひいたらしくいらっしゃいませんでした。残念。
そのままロビーで打ち上げ。中高生が打ち上げとは。乾杯の準備してたらちろとブティックが花束と色紙をくれた。やばかった。深雪さんも色紙もらってた。花束なんかもらったこと今まであったっけ。で、泣くかと思ったけど泣きませんでしたって挨拶してお茶とジュースで乾杯。あと歓談。赤外線通信したり。でもみんな進路のこととか悩んでたりしてて。あと明日から補習とか。ほんと中高生は忙しいんだなー。ぎりぎりまで話して解散。みんなで都立大学方面へ歩く。駅で最後の写真を撮ったりして。話しながらさようなら。またいつか。ていうかみんな三鷹「わが星」見に来てくれー。中高生安いよー。きっとおもしろいよー。
というわけでえらい長い日記になってしまった。本当はさらに一人一人にコメントを書くつもり(約束してしまったし)だったがそれはさらに次の日記にしよう。
翌日は朝9時から神泉でポタライブワークショップ。一転、するほうから受けるほうへ。駅で制服などを見かけるとつい彼らかとハッとしてしまったりするがそれはさすがにまずいだろう。まぁ、夏が終わるころにはお互い適度に忘れてるに違いない。あの子達の方が毎日の密度濃いから早いだろうなぁー。
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