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2010年5月の5件の記事

□ 青年座「赤シャツ」@ala&中学生日記

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昨日は可児のalaに行って「赤シャツ」を観た。なんだかんだいってちゃんとalaで小劇場で観劇するのは、はじめて。声がよく通る良い劇場でした。見やすい。芝居も面白かった。よくよく考えたらこの言葉まわしを流暢に喋る技術っていうのは相当なんじゃないかと。あらためて新劇について考えた。こーゆー芝居を久しく作ってない気がする。作りたいという欲求は全然ある。戯曲を書きたいと思った。あと僕も赤シャツだよなぁ、と思う。後半は可哀想すぎだった…、赤シャツよ…。観終わってすぐに青空文庫で「坊っちゃん」をダウンロード。
お客さんがちょっと少なく感じたけど、でもよくよく考えたら平日のマチネ公演だった。だったら凄いと思う。今日はマキノノゾミさんと衛館長のアフタートークがロビーであった。ロビーだったのは、たぶんバラシの関係なんだと思うけど。でもそれがとても良かった。明るくて、近くて、聞きやすかった。お客さんもリラックスして聞いてた気がする。途中で青年座の俳優さんも参加して。長久手の籾山さん&山際さんに会ったり、安住さんに会ったり。マキノさんには合戦くんとしか知られてないけど一応、ご挨拶して。いいお芝居をみて幸せな時間を過ごしました。
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幸せな時間と言えば、このあいだ「中学生日記」のリハーサルを見学させていただいたのも幸せな経験だった。この強引なつなぎを見よ。中学生日記はもともと名古屋で作ってるのは知ってて、鹿目さんなんか何本も書かれてて、すごいなーいいなーと思ってたのだが、担当の方が僕のあおきりさんでのアフタートークを見て興味を持ってくれたみたいで(なぜ…)、その後は芝居も見に来てくれて、スケジュール的には結構厳しくて申し訳なかったんだけど、書かせてもらったのです。
で、リハーサル。NHK名古屋の一室で。もう完全に舞台稽古だった。登場人物はほぼ中学生3人だけだから、三人芝居の稽古。前に劇団中学生日記ですよと言ってたのを思い出す。ほんとだ。もう出演者の3人は台詞も全部、覚えていたから面白くて。ちょっと演出を手伝ったり。なんかワークショップめいたことも一瞬やったり。てかもっと自分でやっていいんじゃない?と伝えただけなんだけど。もっともっと中学生の言葉や仕草で溶かせたら素敵だなぁと思った。目黒以来かなぁ、中学生なんかと喋るの。僕の台本は、本物の中学生の言葉に比べたらなんと堅苦しいことか。そこをもっと考えて台本を書けばよかったなぁと自己反省。崩すなり、そこを楽しむなり。作戦を立てて。でも中学生日記があることは、名古屋の広い意味での演劇にとってすごく意味があるんじゃないかと思う。これもまたひとつの地域の劇だと思う。
その後、おいしいお酒をいただき、鹿目さんも合流されたりしたはずなのですが、途中から一切の記憶がなくて、本当にすいませんでした…。定期入れ無くしたし…。
翌日は久しぶりに二日酔いになどなってしまい、一日が潰れてしまったのでした…。そんでそのまま山口へ行ったのでした。

そんな中学生日記は本日、放送です。僕もまだ見てません。なんだか書き下ろした台本の公演の初日を見るような心地です。だから緊張して怖くて仕方ありません。
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□ 最近はたくさんお芝居を見てます&お知らせ

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写真はYCAM。久しぶりに沢山の芝居が見れて非常に幸せな気持になっています。自分の本番間近にお芝居を見てもサッパリ頭の中に入ってこないと言うか、どうしても自分のお芝居のことばっかり考えちゃうんで。いまんところ今月だけでこんな感じ。

青年団「革命日記」@こまばアゴラ劇場
チェルフィッチュ「ホットペッパー、クーラー、そして別れの挨拶」@ラフォーレ原宿
快快「Y時のはなし」@YCAM
木ノ下歌舞伎「勧進帳」@STスポット
イキウメ「プランクトンの踊り場」@赤坂REDシアター
中野成樹+フランケンズ「寝台特急"君のいるところ"号」@こまばアゴラ劇場
モモンガ・コンプレックス「ウォールフラワーズ」@プルヌスホール
ハイバイ「ヒッキーカンクーントルネード」@プルヌスホール
柿喰う客「露出狂」@王子小劇場

けっこう見てますね。それぞれ全然、違って面白かった。特に、久々のハイバイはやっぱり軽井沢のくだりが弱点で、ひさしぶりに涙をながして泣きました。
明日は可児で青年座「赤シャツ」を見る予定。そして来月は名古屋で4本ぐらい見ようと思ってます。楽しみすぎる。あいちトリエンナーレのチケットも買わねば。あと今さらですが「第9地区」を見ておもしろかったです。やっぱ映画館ではドッカンバッコンしてる映画こそ見たいと最近は思っています。

あとは色々とお知らせしなきゃいけないことが。大体、隣のnewsに書きましたけど。

中学生日記の脚本を書きました。
5月29日(土)19時ぐらいから放送されます。「修学旅校」です。先日、リハーサルを見学させてもらってそれがとても面白い体験だったので、それはまた別に書こうと思います。

国際交流基金にインタビューが載りました。
憧れのあのページです。他の方のインタビューもめっちゃ充実してて、特に佃さんの半分夢の中で書くという話が好きでよくマネしようとしますが失敗しまくってます。

MUSIC MAGAZINEに「いわきのあゆみ」の劇評が掲載されました。
書いてくれたのは土佐有明さんです。土佐さんは今いわきにハマっているらしく、多田さんの稽古も取材にいっている模様。僕がアトリエ公演を担当した生徒たちの卒業公演が多田さんで、夏にアリオスで公演予定で、もう今からわくわくしているのです。稽古、見に行きたいなー。てか、いわきに行きたい。

弘前中央高校演劇部の「あゆみ」が6月に上演されます。
僕のあゆみ歴の中でも屈指の衝撃度だった弘前の「あゆみ」。畑澤聖悟さんの脚色&演出です。8月、宮崎での全国大会に先駆けて。行きたいなー。行けるかなー。

とまる。という京都の演劇フリーペーパーに「わが星」のレビューが載りました。
なにか独特の切り口で面白いです。書いてくれた人は大学の後輩なのかな?気になってます。

「世田谷アーティストトーク」というのに出演します。
20人ぐらいでドリンクを飲みながらざっくばらんに語り合うという催しみたいです。前には岩井さんやら、タニノさんもやってます。アルコールもあるらしいので、ほんとに軽いイベントかと。ぜひご参加くださいー。

森下スタジオでワークショップします。
「動きながら喋る人」っていうタイトルつけてみたんですけど、人はだいたい動きながらしゃべってるわけで、そんな当たり前のことを考えてみようかと。ダンス関係の人たちに囲まれて不思議な感じでがんばります。

toiやります。
久しぶりのtoiはワイワイワイルダーの中で誤意訳作品。「ロング・クリスマス・ディナー」を「華麗なる招待 -The Long Chirstmas Dinner-」と名付けて。詳細はまたお知らせします。

あいちの「あゆみ」のワークショップオーディションは順調に折り返しました。
今週末で終了。演出助手として応募してくれた人とも何人か直接、お話したりして。はじめての人たちに囲まれて楽しみになってきてます。どーなるんだろー。

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□ 「寝台特急"君のいるところ号」観劇、あと、急な坂のレジデントについて

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雨の山手線に乗りながら、中野さんがやっていることってまさにDJなのではないだろうかと思った。それは中野さんがブログでこの「ハヤワサ号」はフランケンズのアンセムであるという表現をしていたから思いついたことなんだけど。レコード盤を掘るように戯曲をディグしてきて、誤意訳というremixをほどこして再誕生させる。どれだけ大胆に新構築しても、オリジナルへのリスペクトは揺るがない。サンプリングのど真ん中。「サンプリングなど新しい手法をうんぬんかんぬん」とか自分のプロフィールにも書いてたけど、でも中野さんは、それを10年も前からやっていたのだ。と、劇場に向かう電車でふと思いついて、勝手に恐れ入ったりする。

そもそも、この感想はどーしても偏った感じになってしまう。だって、僕はワイルダーファンで、原曲も聞き込んでて、その戯曲で長年フロアを湧かせてきた中野さんの、最新remixですよ。たまらないでしょ。だから客入れから楽しもうと早めに劇場に行ったら、開演時間を間違えてて1時間も早く行ってしまったのだった。

で、観劇したわけだけど、結論から言うと誤意訳がまじでハンパなかった。誤意訳とは中野さんが作った誤訳+意訳の造語なのだけど、その意味がようやくちゃんとわかりました。それは語尾を変えるとか、台本をカットするとかそんなレベルじゃない、本当に誤訳・意訳して、原作をリスペクトしつつ、新作を作ることだったのだ。「44マクベス」のときはそれほどマクベスにもシェイクスピアにも興味がなかったから、ちゃんとわからなかった。でも今回のワイルダーは原作を何回も読んでいたおかげで、ようやくその凄みに気がついたのです。遅い。原作から、そのコースを外れず、でも広げて、そして、どこまで遠くへ飛べるか。それが誤意訳。
きっとワイルダーの原作なんて読んでない人がほとんどだし、それでいいと思うのだけど、でも中野さんの功績はちゃんと伝えたい。この作品の半分以上は中野さんの創作であり、この作品は現代日本で生まれた作品であり、そして間違いなくワイルダーの「寝台特急ハヤワサ号」。本当そのままやったらこの作品は40分ぐらいなんだけど、今回の上演時間は80分。でも、どこを切ってもワイルダーの血が流れてる。ここがすごい。きっと何も知らないお客さんはこの台本を全部、ワイルダーが書いたのだと思うだろうけど、ある意味それは間違ってない。確かにこれは全部、ワイルダーの作品なんです!

言葉遣いも、シーンの構成も、すべて中野さんによるワイルダー愛にあふれた手腕で、本当に感動しました。舞台美術の仕掛けも目から鱗で。中野さんの世界観はいつもユーモアが溢れていて、すばらしいと思いました。ユーモアこそ、現代に忘れてはいけない武器だと思います。ジョークじゃなくて、ユーモア。どんな状況にもユーモアの目線を忘れない。ただ笑わせるためじゃなくて、ひねくれてるんだけど、愛のある目線。そして、中野さんのその姿勢に、フランケンズという劇団のメンバーが全身で答えてるのが素敵だった。劇団っていいなあって心底、思いました。うらやましくなりました。全員が大切な要素として、劇を満たしていた。ワイルダーファンだった僕は観劇後、フランケンズのファンにもなっていたのでした。

遅くなりましたがフランケンズの公演情報はこちらです。

終わってから、中野さんがまさに自分の仕事をDJ的であると言って驚いたのでした。そう、演劇が音楽と親和性を持つとかボーダレスになるとかって単純に劇中に曲かけまくるとか生演奏と一緒にやるとかそういうことじゃなくて、音楽を扱う手さばきで、態度で、演劇に向きあうとどうなるかという挑戦に向けられるべき言葉じゃん、とか、思ったのでした。

というわけで、7月に僕もtoiで誤意訳すると無謀にも宣言してしまったわけだけど、今は頭を抱えつつ、わくわくしている次第です。うわー。えらいこと言っちゃったなぁ。でも何が出来るだろうと興奮してる、こーゆー感じ久しぶりだ。しかもみゆきんぐが選んだキャストがわけわかんないことになってて、こないだ神里くんにちょっと言われちゃったけどそれはしょうがない岡崎藝術座経験者多すぎだもんだって!でも岡崎で見た俳優さんは全員、ほんと魅力的に見えるんですよ。だからしょうがないよ。きっと。神里くんの演出が成功してるせいだよ、それは。みゆきんぐも岡崎で役者さんに一目惚れしまくってるんですよ。

あと中野さんから急な坂のレジデントを、別にそういうわけじゃないけどでも結果として、引き継ぐ形になったのもとても印象深く。
その件についてちゃんとまとまったことを書こうと思っていたので、ちゃんとはしてませんが、書いてみます。
もともとSTスポットのレジデントだったと思うんですけど、その情報や、中野さんや岡田さんの対談をSTスポットのHPで見て、当時の僕は劇場が作家をレジデントするなんていう発想がなかったので、はーそんなこともあるもんなんだなーとやけに感心して、いいなーうらやましいなーきっと劇場費がかからないんだなと素直に思った覚えがあります。
その後、僕は青年団演出部に入って、半分アゴラ劇場のレジデントというか、まぁ、アトリエ春風舎やその他、稽古場などを使っていたわけで、そこであらためて、拠点や基地があることのメリットを痛感しました。稽古場代や劇場費などお金の話もありますがそれよりも、作品をつくるということは、その工房というか、作る場所と切っても切れない関係で、創作のための場所がただ「ある」というだけで、できることが格段に増える、創造のレベルが上がるということを知ったのでした。
それから3年ほどはおもにアゴラのある東京を拠点にし、東京で作品を発表してきたわけですが、その現状にも色々と思うようになりました。一番に思うことは、僕がここにいて作品を発表している意味ってあるんだろうかということです。東京には演劇作品も劇場も団体もいっぱいあるし、誰も全部見られないぐらいだし、面白い作品も、挑戦的な作品もあって、その気になれば東京に住んでいる人は今日の夜にでも面白い舞台を劇場に見に行けます。そんな場所なら、別に僕がいなくなっても何も変わらないんじゃないかと。ポジティブな意味で。僕がよそへ行っても、面白い劇団も作家も演出家もいてくれるし、きっと作品は変わらず毎週のように上演されるだろうと。って考えたときに、じゃあ、僕がかつていた町や、通り過ぎた町はいったいどうなっているんだろうかと思ったのです。その町にいる人達はどうしてるんだろう、と。
そして、どこで作るかということと同じぐらい、誰と作るか、誰に見せるか、というのも大事なことなのだと思い始めたのでした。
だから今までは特に何も考えず、とりあえず東京で、一緒にやりたい人と作って、たくさんの人に見せたいと思ったのですが、そこをもう少し、考えてみようと思ったのです。特に決まった考えがあるわけではなく、当たり前に思っていたことをもう少し考えようと。そして願わくばいつか僕が必要とするところ、僕を必要としている場所で活動したいと。そこがどこで、誰かはまだハッキリわかりませんが、そんなこともあって、今年はまぁ、実家もありますので、地元に帰って作品をつくってみようと思ったわけです。そんなときに急な坂から声をかけていただきました。
だから、まず最初に声をかけてもらったということで、率直にうれしかったし、そんなに東京から離れてないけど、でも最初はきっとこれぐらいがいいのだし、STや急な坂へはリスペクトもありましたし、まず東京を離れて拠点を探す第一歩として、レジデントをお引き受けさせていただいた所存です。もうすでに青年団演出部には新人が多く入っていて、僕が3年前に受けた恩恵を、新しい人たちに譲るべきだということもうすうす気がついてたし…。
あ、べつにかならずしも東京外に行きたいわけではなくて、東京でもきっとこの土地、この場所、この人々、と思えるところならいいのでしょうね。
というわけで、まずは横浜で作品を作って、横浜で発表することからはじめようと思います。
ここがどこで、いつなのか、無視しないでユーモアでくるんで作品にしてしまうような、そんな中野さんの姿勢を引き継げたらと思っています。

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□ そろそろブログ復活します

約3ヶ月ほどお休みしてましたが、そろそろ日記をつけたいと思います。え、あれから3ヶ月しか経ってないの?とむしろ、げっそりとしたほど、時間の流れ方が早くなった半年でした。
思い出して書いていては現在に追いつけなくなりそうなので、とりあえず最近のことを書きたいと思っています。このブログは忘備録であると同時に、大事な僕のアーカイブでもあるので。本当にモノ忘れが早い・多いので、思い出がすごい勢いで消えていくのを、たまにこのブログで取り戻したりしているのです。
あのとき、何があったのか、どう思ったのか、書けるだけ書いておこうと思いますー。あとどこに行って、誰に会って、何を食べたかとか…。忘れちゃうんですよ、ほんとに。twitterは流れてしまうので、バックアップにはならないなぁと思います。

とりあえず急いでお知らせしたいことは、左のNEWSに書いておきました。世田谷アーティストトークとWSのご案内です。公演は7月にあります。よろしくお願いしますー。

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「あゆみ」出演者募集に応募してくださった皆さまへ。

只今、選考結果の連絡が遅れており大変ご迷惑をおかけしております。
誠に申し訳ありません。
5月9日中には応募していただいたすべての方にご連絡いたします。
何卒よろしくお願い致します。

柴幸男(ままごと)

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